Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

本当のことを言う

"マスゴミ"と揶揄されることが最近富みに多くなってきた気がする。特に民間放送局の広告収入源を基にしたビジネスモデル自体が立ち行かなくなってきているというのだ。
今年に入ってから特にマスメディアの一人勝ちとしてNHKが上げられることが多い。その背景にあることを指摘する記事がこちら。
記者のつぶやき - 本当のことを言う:ITpro
番組制作費の話は他のメディア、ラジオなどでも何回か取り上げられていた。これまで女子アナなどテレビ局本体から切り離してしまったTBSなど、現場の制作部隊の多くを外注にしてコスト低下を図ってきたがそれも行き着くところまでいきいよいよ番組制作費自体の大幅な削減に手をつけざるを得ないところまで来たという。そういえば大物司会者たちの番組打ち切りもニュースに上がっていたな。
この中で面白い逸話があったので記しておく。

こんな話もある。ソビエト連邦の元首だったニキータ・フルシチョフ。冷戦時代を象徴する恐ろしい人物である。国連の会議で靴を脱ぎ,その靴でテーブルを叩くという行動をとるような人物だ。その彼は自由化を推進するため,故スターリンの独裁者ぶりを痛烈に批判した。スターリンが行った残虐行為を世界に向け次々と暴露していったのだ。

その彼がアメリカで記者会見をしたことがある。予めリストにして提出されていた最初の質問が読み上げられたのだが,これがなかなか辛らつなものだった。「あなたは,激しくスターリンを批判した。しかし,あなたはスターリンの親しい後輩だったではないか。スターリンの存命中,あなたは一体何をしていたのか」というのだ。

フルシチョフは怒った。「だれがその質問をしたんだ!」。普段は口やかましい記者たちが,珍しく沈黙した。シーンとなった会場を見渡し,彼が再び吼える。「その質問を書いたのは,一体だれだと聞いているんだ!」。長い静寂のときが流れた。そこでやおら,フルシチョフはこう言った。「私が当時やったのは,これです。今のような沈黙です」。

後半にはマスコミとは行為者であるべきか、観察者であるべきかという根源的な話になる。先日の中川大臣酩酊記者会見にあい通じる話だ。その日中川大臣はオフィシャルランチを抜け出し、財務省の設定したマスコミ、読売新聞、日本テレビの女性記者と会食をしていたという。前夜に引き続きそのときにもワインは飲んでいたということだ。これは読売グループだけではなく他の新聞、マスコミを知っており故小渕首相のような脳疾患ではないと初めから見切っていた。その上で"いつものこと"として酩酊記者会見に臨んでいたのである。
だからこそこの異様な光景に海外の通信社が疑問を呈するまで余り問題視せず記者会見を切り繋いでニュースにしていたのだ。
同じ頃、日本では自民党森元首相と青木氏ら自民党と渡辺、氏家という読売グループのトップが今後の政局について話し合いをもったという。明らかに読売グループは行為者としてマスコミの立場を見出している。