Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

坂の上の雲

昨日は冷たい雨だったこともあり一日家で待機することが多くその間に前回のワールドカップのDVDを見ていた。昨晩までに見たのは以下の3本。

  • ガーナVSブラジル
  • フランスVSスペイン
  • フランスVSブラジル

2006年独大会でも屈指の好ゲームだったと思う。2006年はジダンによるジダンの大会だったはず、として記憶される大会(ややこしい)だが、やはりジダンは別格だったことを再認識することとなった。しかしここでブラジルに勝ったフランスはベスト4進出ということで、これは日本が目標として掲げる位置なのだ。すなわちこのぐらいのレベルの試合をして、尚且つ勝利しなければならないし、健闘したで終わっては目標には届かないわけだ。やはり坂の上の雲ははるか彼方に漂っているというほか無い。
ガーナはこの大会では経験値をつんだチームではあったがそれはアフリカ勢としてであってやはりブラジルの前には甘いというか辛酸をなめた機会が少ないという気がした。がっぷり4つに組んではまだまだ勝ち目は乏しい。とびぬけた身体能力を持ちつつも同じサッカーの土台上ではブラジルに勝ち目は当面無いように感じた。90年代アルゼンチンやスペインなどサッカー強国を慌てさせたアフリカンパワーだが、その強さは従来からのサッカーの土台上には無かった個々の能力が圧倒的だったからだが、これが徐々に経験をつむことで逆にストロングポイントを弱めてしまう結果になっている。サッカー強国と互角な戦いをするにはもっと苦しい経験を積んだ上でストロングポイントを発揮することが必要だろう。そのための苦しい経験が南アフリカ大会になるのではないか。
スペインはジダンに敬意を払いすぎた。スペインはそれまでの予選での戦いが余りに完璧すぎたが故にジダンの花道を完璧なまでにフランスを叩き潰した素晴らしい勝利で収めることに拘泥してしまったのではないかと思う。しかし一旦試合が始まると予想以上にフランスの出来が良くアレほど強かったスペインが押されるという予想外の結果に戸惑ってしまったのだと思う。後個人的にはフォアキンをもっと早く出した方が効果的だったように思う。とまれスペイン側フランス側双方にジダンの最後の試合を素晴らしいゲームで迎えようという気持ちがあったように思う。
そしてそれはブラジルにも同様にあったのではないか。あのペレイラがシステムを変更してまでフランス戦に望んだのは前回の敗戦の屈辱を完膚無きまでに、それも中盤の構成力で上回って勝ちたいと望んだ結果だったのではないか。ジュニーニョ・ペルナンブカーノは戦犯のような扱いを受け、その後代表引退を表明したが、ここは大会前怪我で守備的MFの登録抹消、そしてガーナ戦での完璧な勝利がペレイラに欲をかかせ、攻撃が得意な選手の選考となったのかなと邪推する。ロナウドの1トップ、セカンドにロナウジーニョでフランスと似た形にして攻撃しきる形を思い描いたのではないか。しかしいかんせんロナウジーニョパリサンジェルマンではそれほど活躍は出来なかった。バルサイニエスタという忠実なサポートを得て初めて輝くのであってジュニーニョ・ペルナンブカーノのような色気を出す選手ではどうしても偏ってしまうのだろう。結果システム変更は機能しなかったし、むしろフランスの中盤の献身的(for the team)活動量が目立つ結果となった。点差こそセットプレイの1点だけだが試合全体をコントロールしていたのは、最終盤のブラジルの無理攻めを除いてフランスのものであり勝利は順当であったといわざるを得ない。
しかし、それにしてもこのレベルの試合に我が日本代表が到達できるのか甚だ不安を感じざるを得ない今日の日韓戦だった。