Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

ER 緊急救命室最終回

15年に渡り長寿ドラマとなったERが昨晩終了した。
最終回ということで過去のレギュラー陣がゲスト出演し最後に花を添えたが、基本最終回として特別な事件を扱うわけではなく、いつもながら慌ただしく患者に対応するスタッフの姿を淡々と描き、らしい終わり方だった。
ラストシーンは事故で発生した多数の怪我人をスタッフ総出で受け入れるシーンで、カメラが引いて今まで見ることのなかったカウンティ総合病院の全景、そして幾つもの出会いと別れの場所となった高架線、電車のホームが映し出され静かに幕を閉じた。
初めてERを見たのはNHK-BSで正月に1st seasonをまとめて放映した時だった。その時まだレイチェル(初期のメインキャストだったドクター・グリーンの娘)と同様に小さな子供だった自分の娘ももう大学生。最終回は22歳の大学生となったレイチェルが医学部志望となってERを訪れることになった。
ERはスタッフが自分と年齢的、立場的に重なる、いや重ねて観ることが出来るモデルが多く、それは時に似た境遇に目を逸らしたくなることもしばしばだった。観るこちらにもその分エネルギーを求められるというか。人の生き死にを淡々と接する日常、少なからずドクターは自らのミスから患者を死なせてしまう。しかしそうした中からそれらの死よりも遥かに多くの命を助けることが出来るように成長する。ドラマの根底にはこうした成長への強い信念があった。
多くのスタッフドクターは幸せをつかむことは出来なかった。ハッピーエンドを迎えられそうなのはダグラス・ロスとキャロル・ハサウエイのカップルだけか。みなそれぞれの問題を抱えもがき苦しみある時は乗り越え、ある時は打ちのめされ違った道を模索する姿に自らを顧みるドラマだった。
その分、演じる側にも相当なプレッシャーを与えて来たようだ。それは最終回前の出演者のインタビューから異口同音に語られた。また以前ロス役のジョージ・クルーニーが語ったところによれば、撮影はシカゴから反対側のロス近郊のスタジオで実は非常に暑い。半年は缶詰状態。カット割が少なく長回しが多い。何処から撮られている分かり難く気が抜けない。かなりきつい撮影だったようだ。