Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

大船渡弾丸ツアーその3

なかなか話が進まない。
けせんライナーは陸前高田へ入る。昨年は市役所前がバス停留所だったが、カーテン越しにみる昨年と変わらず荒涼とした被災地を抜け整備された小高い山の上を向かうバス。バスは仮の役場前が新しいバス停になっていた。早朝のプレハブらしき役場横にはすでに何台ものクルマが待機して東京から戻ってくる人を待っていた。数人が下車するとまたバスは細い山道を降りて陸前高田の海岸線に戻った。
遂に大船渡が近づいて来た。右手に碁石海岸の道路標識を見つけ懐かしさがこみ上げてきた。バスは盛駅を越え、サンリアショッピングセンター前で停車、やっと辿り着いた。しかしいつもより20分ほど早めについた。未だ7時前。現地での脚となるレンタカーは8時からである。1時間は間が空いてしまった。コンビニをサンリアの掃除のおばちゃんに聞くが、45号線迄出ないと無いらしい。寒さも感じたので盛駅の待合室に行くことにした。待合室はJRと南リアス線で分かれており、JRの方が大きく閑散としているが旅人が休むにはJRの方が気楽に入れる。
丁度盛駅は4月から従来からのBRTと云うバスに加え釜石までの南リアス線が再開したばかり。未だ7時だと云うのにBRTが到着すると高校生らしき学生がぞろぞろ出てくる。何本かBRTの出入りがあった後、ついに南リアス線の電車が入って来た。ちょっと感動。昔弟がいたころ第三セクター方式で鉄道が継続運用されていたことを思い出す。
8時近くになったのでトヨタレンタカー迄戻り手続きをする。昨年応対してくれた人がいた。借りたのはアクアの白。レンタカーは白が殆ど。昨年も同じ質問をしたが8時でコーヒーを飲めるところを聞く。どうやらないらしい。ファミレスも近くになさそうだ。昨年同様モスバーガーに行くことにしたがそれでも開店は10時。その前に大船渡港陸前高田に行ってみることにした。
大船渡は歴然とした被災地だがその中でも昨年より復興に向けて動き出しているように思う。港には大型施設(それが何だかは良くわからなかった)が建設中。港に通ずる道も未だ未だ更地が多いがそれでも幾つかの店舗が昨年よりは再開していることを感じた。カモメの数がかなり増えたように思う。
一方陸前高田。昨年訪れた時奇妙なほど分別されたゴミの山をみた。金属の山、木材系の山、そして何とも物悲しい衣料品を中心としたゴミの山は畳や布団らしきものが覗いていた。その山がかなり小さくなってその部分が更地になっていた。全体として復興の芽吹きを感じられるような建築物は見当たらないが、まずはゴミは処分できたのかと思った。然しそれは違った。平野部、海岸線の一角にネットで囲われた区画があり、そこにゴミの山は移動されていただけだった。無論少しずつでもごみ処分、はしているはずだ。でも2年経ってもこれほどのゴミ処理が残っていることに驚いた。
この後湾の反対側に向かい、いわゆる「奇跡の一本松」を見に行った。まだ復旧中で大掛かりな囲いに守らている「元」松だった。それはかなりの費用をかけて復興のシンボルとしてカーボンを芯に防腐処理され復元されたレプリカである。かなり離れた更地が駐車場に用意されて警備員、誘導員も配置されている。行く前はそんなことに1億円以上かけることをいぶかしく思ったのだが、現地に行ってみると思いは違って来た。
震災から2年以上経た今でも復興の芽吹きはこの陸前高田周辺には見出せなかった。あるのは更地と、4階、5階建の壊れたマンション、建物のみ。海岸線を走る車は土埃を巻き上げる。ゴミも未だ未だ処分は終わっていない。そんな中で少しでも注目を集められるならそれでも良いのではないか。これは気仙沼の漁船にも言えるのかもしれない。前に進んで行く為に藁にも縋る思いには何となくシンパシーを感じることが出来たのだ。それほどまでにここには何も無く復興の道筋が見えない。再び大船渡に戻る。雨が断続的に降っている。気温は事前に調査していた5℃と云うほどでは無かったが、雨は埃と混ざってあっという間に白いアクアを濁らせた。9:57あたりでモスバーガー到着。しかし10時開店をきっちり守るためなのか駐車場に入れない。街道道すがら待つことも考えたが、一旦反対車線のDIYセンター駐車場に入る。そこで取り敢えずトイレを借りて、園芸コーナーで仏花を購入する。
10時を過ぎたのでやっとモスバーガーへ。この店舗はちょうど1年前にオープンした。偶然その日に自分は入ったのだが、モスの社長さんが大船渡出身だとかで、復興のために出店と云うことだった。この日は1周年記念でCottonバッグのプレゼントがあった。久しぶりのモスバーガーはソースが懐かしい。なんでもパテからトマトソースから色々改良したらしいのだがそれは良く分からない。それより何より小学校時代からチェーン店とは知らずに食べて来た懐かしい味そのものだった。地元にもモスはあるが最近は滅多に食べなくなった。ハンバーガー自体に興味が薄れて来たというのもある。値段が高めと云うこともある。しかし久しぶりに食べたモスバーガーは美味しかったし、懐かしさいっぱいで感激した。
モスを後にすると越喜来地区、崎浜に向かう。