Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

Taxi driver

名画、タクシードライバーがNHK-BSでやっていたので見入ってしまう。
初めて観たのは中学生だったか。マグナム44やワルサーP8、腕に仕込んだ拳銃やモヒカンなどアイテムに憬れて何か良くわからないが凄い映画だと思っていた。次に観たのは大学生の頃、テレビの深夜映画だった。一人で夜中に観るのはあまりに淋しく恐ろしい映画だった。ちょっと間違えば自分もトラヴィスになってしまうのではないか?少なからず現実にうんざりしていた当時、トム・スコットのアルトサックスがやけに沁みた。
大統領候補の演説シーンなど観衆が少なく、多くのシーンで街角のロケそのままに撮っていたり低予算で作られた映画だけれど70年代の空気が非常に良く映りこんでいると思う。デ・ニーロ扮するトラヴィスはベトナム帰還兵という設定だが、TBSラジオのストリームで町山智浩氏はベトナム帰還兵がトラヴィスのように心を病み犯罪を特段多く犯していたというのは統計上は無いという説を話していたのを思い出した。大統領候補の選挙演説でもベトナム戦争について触れてはいるが、犯罪増加の原因をわかり易く説明付けしていただけだったのかもしれない。もっと大きな意味で70年代の空気が心の闇を呼んでいたのではないかと思った。汚濁にまみれた街並みと美しいネオンの夜景という矛盾する映像を閉じ込めた大好きな映画だ。