Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

匿名と実名

2月8日以降、facebookで実名出ない(と思われる)アカウント停止が行われているらしい。
ぼくなんかからするといの一番に実名なんて定義の曖昧な判断材料で作業を行い、カウンター業務をする現場の皆さんの苦労を考えてしまう。
突っ込みどころ満載だよなぁ。
実名、本名なんてどう判断するんだろう?
早速あの“ぼくはまちちゃん!”がクレーム付けて、問合せ窓口へメールを出したそうだ。実名として"はまちやはまちー”という日系ロシア人ですという申告をしたらしい。するとあっさり訴えは認められ、アカウント停止後わずか3時間で見事?アカウントは再開されたという。
なにが凄いってfacebook側の応答速度がだ。何処にコンタクトセンターがあるのか知らないが日本相手に専用担当を置いたのは間違いない。オフショアか、国内か。今回のアカウント停止は一斉ではないものののネットの騒ぎではある程度の数はこなしているだろう。8日から対象アカウントを選定していたわけではないだろうからある程度は準備はしていたのだろう。その中で3時間程度で2往復のメールのやり取り。
凄い早い、と思う。
恐らくfacebookは「本気で」実名のみを残し、匿名を排除するつもりはなかった。曲がりなりにも匿名を排除しようという意思があれば、“はまちやはまちー"がロシア系の名前なのかどうか調べたり、問合せるなりした上で、恐らく窓口自身はfacebookの人間ではなく業務委託先だろうから、最終的な判断をfacebookに請うはずだ。日本法人があるのかどうかも知らないが窓口業務から上がってきた判断に迷う案件を、facebook側の担当者が最初のメールから読み出すはず。
この辺りのことが3時間では早すぎると思う。
恐らく事前に用意されている応対例、想定問答集通りの回答なのだろう。つまりアカウント停止に疑義を訴えるユーザーには多かれ早かれアカウント再開を許すという対応が事前に決まっていたということだ。まぁ、facebook側だって、これが実名ですといわれ免許証なり保険証なりパスポートなり住民基本台帳カードなりを出せ、なんてナンセンスな作業であることは百も承知なはず。
ではなぜ今回のアカウント停止?
恐らくアリバイ作りではないだろうか。日本でのネットサービスは匿名が多い。10代ではプロフなど個人情報ダダ漏れに何の抵抗感もない世代も控えているが、30代以上は圧倒的に匿名を名乗る方が多い。ぼく自身は大昔のネットニュース、fj時代のほぼ実名(一部はニックネームもあった)かつ所属(iij発足前だったのでドメインはそのまま所属になる)も明示するのが当然だったころを思うと、パソコン通信の流れがfjに流れて来た時は大いに違和感を覚えたものだ。しかしそれ以降は自然に実名は控えるようになった。既存のネットサービスは匿名全盛の中での、今回の対応だ。これまでのmixiなど既存のサービスとの違いをより明確にしたい、という意図だったのではないだろうか。そもそも実名性を担保するものっていったい何?ということからもfacebookの本気度はことほど左様にポーズであったのだろう。実名性を他との差別化として分かりやすく提示するというのが一義的な目的だったのではないか。
しかし実名が何かは置くとして、リアルな人物に紐付けられた名称を名乗らずしてfacebookって楽しいのだろうか?そこまでしてfacebookを利用する意図、目的ってなんなんだろうと思う。架空の人格を作り出すとしても少しでもリアリティを持たせる方が良いと思うんだけどな。