Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

権利のインフレ

著作権という魔物」読了。何か読むのに時間がかかったが、じれったいとは思ったものの読み難いわけではない。寧ろ内容的には薄く感じられる。行間も空いているし。週刊アスキーの連載を手っ取り早く新書化したものだが、どうも全体に「お手軽感」がして深みを感じない。著作権問題に関してキーパーソンをインタビューしていて、その意味で面子を知るには良いのだけど彼らと特に丁々発止をするでもなくあっさりとしたインタビュー記事を寄せ集めた感を拭えなかった。
それから「…」で終わる文体にも違和感を感じてしまった。自分の文章も文末をあやふやにしがちではあるがやはりそこはしっかりと言い切ってほしいところ。結論付いたものとしては「グローバリゼーション」、「ワーキングプア」といったキーワードで彩られるのだがその流れが少々乱暴ではないかと思う。アメリカの自由主義が行き着く先にある現在に「権利のインフレ」が寄与しているということ、と読んだ。
著者の趣味か「伝説巨神イデオン」のエピソードに触れる箇所、訪問先の研究室に飾られたフィギュアを見つけるところがある。その他のアニメに関する記述は特にないのだけど好きなのかな。

著作権という魔物 (アスキー新書 65)
岩戸 佐智夫
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 2340
おすすめ度の平均: 3.0
3 扱いかねるから魔物なのか?
3 今の話題の人物総ざらえってな感じ
4 良書は良書です。ただ・・・。
3 加筆・修正???