Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

今日も素晴らしい空が広がっている。しかし明日は天候は崩れるらしい。

ここ数日よく晴れた日が続いているが日中空を拝むことが出来ない。窓の無い世界に引き篭もり状態である。

窓が無い部屋というのは良くない。決して空が晴れていなくても、だ。

アーヴィングのホテルニューハンプシャーでは、ある家族の家訓として?「開いた窓は見過ごせ」という言葉が出てくる。ここで自殺を仄めかすものとして開いた窓という表現が出ていたが*1、そもそも窓が無いというのは駄目だ。

以前の仕事では不定期に半導体の製造ラインの中で作業をすることがあった。そこは窓はおろか外界を一切遮断することが大きな条件になった場所だ。一旦その中に入ったら容易には外へは出られない。全身を防塵スーツに包み、埃、髪の毛、フケも出すことは許されない。トイレに行くこともままならない。

朝、そこへ行くと夜まで空を見ない、というのが普通だった。

当然目的があってそこに篭っていたのだが、一日をそこで終え自分の仕事場へ暗い中戻ると何ともいえない徒労感が募るのだった。これは時間感覚の無い空間に関係していたものと思う。いま大抵のオフィスはエアコンディショナーで室温はコントロールされ日中は一定に保たれている。一日の時間経過を知るのは空の移ろいと腹の減り具合、あたりか。

今は羽田に降り立つ銀色の機体や、空気が澄んでいれば遠く富士も拝める良いロケーションである。だからといって一日の徒労感が解消するわけではないのだが。

*1:家族の末娘は結局窓から投身自殺をしてしまう