Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

ワーキングプアⅡ

前半だけ視聴した。二人の小学生を育てる30台のお母さんの話は、周りにも同様の環境があるので身につまされる。取材されたお母さんは経理事務の仕事のほかに夜八時から午前一時まで仕出し弁当の注文処理のバイトをしている。睡眠は一日4時間、昼休みには30分の仮眠を会社の休憩室で取るのが日課だ。番組で知らされる時給がとても安い。30台の大人がファーストフードでの大学生並の時給。丁度日曜日なので新聞の折込求人広告を調べてもやはり安い。正社員募集は決して珍しくない。嫁さんとテレビを観ながらなぜ他のもっと賃金の良い職を選ばないのか不思議だったが理由はすぐに分った。地域格差なのだ。東北の地方都市ではその他の職を探すこと、より良い賃金を得られる職に移ることは容易なことではないのだった。尤もそういった職を探すこと自体、このお母さんにとってはとても難しい。過去子供の看病のため会社を休んだことで解雇されてしまった経験は職探し自体を躊躇させるだろう。彼女は子供2人がいること自体で職を得られなかった経験があるというのだから。
彼女の場合、子供二人を抱えたまま離婚してしまった時点で、否もっと結婚する時点でかもしれないが先の見通しが甘い(離婚の理由、条件は分らないが)ということはあろう。しかし彼女の環境を救済することは出来ないのだろうか。「救済」なんて小奇麗な言葉は失礼かもしれない。何某かの希望を見出せるようにならないものだろうか。
仕事への意欲、勤勉さ、場合によっては学歴でも越えられないワーキングプアの壁がそこにある。それは地域格差でより大きく顕著なのだ。
根本的な原因は大きな意味でグローバライゼーションなる均一化の流れだと思う。小泉政権が、改革があろうがなかろうが海外の中国やインド、ベトナムらの安い賃金リソースが日本に押し寄せてくるのは避けられなかっただろうし、それに適合したシステムを作らざるを得なかった。日本の中に偏在していた富は、それを持たざる世界中から求められ奪われていく。これは労働力に留まらず技術、人材にも及んでいくだろう。