Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

購入トラブル


お嬢のバイオリン購入でトラブルがあった。
入学後なぜか(これはぼくら親には全くの予想外)弦楽部に入り、バイオリンを弾くことになった。このため4月末から全くの初心者に使えるバイオリン探しが始まったのだ。
市内、市外、学校で紹介された楽器店を巡り、在庫のバイオリンを弾き比べてきた。アウトフィットと呼ばれる初心者向けの弓はもとよりケースから肩当て、松脂、クロスなどワンパッケージになって5万台のものから20万台まで国内のSUZUKI、YAMAHAから国外の幾つかのメーカーまで聴く機会に恵まれた。
バイオリンは工業製品とは異なり、個々の出来の触れ幅があり、必ずしも値段に比例するものではない、という話を聴かされたのだが、しかし実際に聴き比べてみると値段通りの差があるように感じられた。
ある楽器店で合計4回試し弾きをし、ドイツのあるモデル*1
の発注をかけた。初心者が使うとはいえ、同じモデルであっても個々の差はあるという。このため注文で届いたものと試し弾きした店頭在庫のものどちらでも選んで良いということであった。先週金曜日に注文していたバイオリンが店に届き、早速店頭在庫と比べることになったのだが、どうも店頭のもののほうが良いという。お店の人も店頭の方に軍配を上げる。結果やはり新古品というわけではないものの何人かがぼくらのように弾いてはいるが、音の結果を優先して店頭在庫のものを購入した。17万弱である。
次の日、土曜日だが朝この楽器店から電話が入った。なんと店頭在庫のモデルが間違っていたというのだ。このため購入したものと交換してほしいという。注文したものとは違うモデルで比較していたのだった。間違っていたモデルはピグマリウス*2というメーカーでやはりこちらのほうが価格は上である。今までづっとこのピグマリウスと知らずに説明され試し弾きしてきたのだった。このピグマリウスは26万弱。このぐらい違えば音も変わってくるだろう。
突然全く想像しなかったことで動揺したが、落ち着いて考えればこちらに瑕疵は全くない。こちらははじめからモデルを指定して購入したわけではない。予算内で試し弾きの音の良いものを選んだのである。注文して届いたものと店頭在庫のものから選んでよいと云ったのは店側であったのだ。
バイオリンはディテールは小さく異なっているが、それぞれのモデル名は表面上には記載されておらず、楽器の内側に貼られた紙を見るだけしかない。店員は正直歳を召していて見難かったのだろうがあってはならないミスだ。交換に応じる、拒むに関わらず気持ち的には非常にすっきりとせずけちがついてしまった。特に使う当事者であるお嬢自身当惑し、寧ろ怒りより返却すべきか悩んでしまった。
日曜、改めて楽器店から連絡があり、店側のミスを認めバイオリンもこのまま使用して良いということ、改めて家まで来て謝罪したい、ということだった。当然とは思えど今後楽器の調整など付き合わざるを得ない関係になるので出来る限りわだかまりのないようにしておきたかったので素直に受け入れることにした。
端から見ると鉄の斧が銅の斧程度には変わったような感じだろうが、けちがついてしまったなぁという印象は拭えない。一杯練習してもらって弾きこなせてもらえれば良いんだけど。

*1:Roderich Paesold

*2:Pygmalius、五嶋みどり氏が、ニューヨークのカーネギーホールでコンサートを開いた時、手にしていた一本の小さなヴァイオリンがここのものであった