Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

次世代ネットワーク社会の到来は著作権制度を揺るがすか

過日、13日のこととなるが参宮橋、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された文化庁主催のシンポジウムを聴講して来た。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/seminar/contents_sympo_5.html
「平成18年度次世代ネットワーク時代における著作権制度のあり方についての調査研究会」で10回に渡って議論された結果を踏まえた報告を含めたものである。登壇者は特別講演として慶應義塾大学の金正勳准教授、研究報告として三菱UFJR&Cの澤伸恭氏、そしてパネルディスカッションで上記研究会メンバーの上原伸一国士館大学客員教授、瀬尾太一日本写真著作権協会常務理事、中山一郎信州大学准教授、コーディネーターとして前田哲男弁護士であった。
やはり面白かったのはパネルディスカッションである。
上原氏の言うとおり次世代ネットワーク社会の到来云々はそのバズワードからして曖昧糢糊なもので良く分らないし、各々想定する条件が異なる。結果次世代といいつつ現在の著作権制度への不満の吐露が各々の立場から噴出することとなった。現行の著作権法、制度を積極的に改正し利用促進を促すべきと言う立場が金氏、中山氏ら、現行の法制度は堅持し尚且つより元著者にインセンティブを与えるべき(というのは言い過ぎか)著作権保持者としての立場の上原氏、瀬尾氏らと言う構図。そもそもシンポジウムの表題は第5回コンテンツ流通促進シンポジウムであり、現政権で経済活動の糧としてコンテンツを活用するデジタルコンテンツ流通促進法の流れの中で行われたものである。この点は会場から御手洗経済財政諮問会議議員を揶揄する意見も出ていた。