Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

第4回「真夏の夜の公開トーク」

著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム慶應義塾大学に聴きに行ってきた。御題は

日本は「世界」とどう向き合うべきか?
−アメリカ年次改革要望書、保護期間延長論、非親告罪化を手がかりに−

モデレータに弁護士の福井建策氏、パネリストに中山信弘東京大学教授、久保田裕@ACCS、ドミニク・チェン@クリエイティブ・コモンズのお三方。はじめに金正勲@慶應義塾大学の挨拶があり、福井氏が口火を切る。しかし残念ながら議論を交わすといった感じにはならず。権利保持者側の代弁者たりえた久保田氏が早々と期間延長自体ですべてが上手く行くような考えに疑問を呈し、またACCS会員の意見としても50年、70年の保護期間について支持が五分五分とのデータを話されてしまったからだ。このため保護期間延長自体が論点とはならず、他のシンポジウムなどに見られるような熱いものが感じられなかった。残念。唯一、文化庁で3月まで著作権行政を担当されていた方からのコメント、保護期間延長は決して外圧に屈しているわけではない、そうではなく自ら導いた課題である旨がもっとはじめにあれば良かったと思った。もう少し論客と言うか立場のはっきりしたパネリストを出演させるべきだったかなと思う。場所?がら出たがらない人も多そうだけど。
ただ各人の話、特に中山教授の話は興味深く聴けた。知財の南北問題、21世紀は発展途上国から先進国への不満が爆発するだろうと言う問題が根底にある旨の発言は印象に残った。
帰り際、青空文庫の署名はしましたよ。