Killing Time 2nd

備忘録、日々の徒然想いを残します。

YouTubeの戦略

YouTubeがイーライセンスと楽曲利用の許諾契約を結んだそうだ。
イーライセンス、YouTubeに利用許諾 あゆ・倖田來未の一部楽曲、投稿可能に - ITmedia ニュース
どうもこの手のニュース記事はミスリードを意図してやっているように思えるが、当然ながら演奏権のみの許諾である。

ユーザーは、管理楽曲を自分で演奏したり歌った動画を、合法的に投稿できる。CD音源やプロモーションビデオなどをそのままアップロードする行為は、従来通り認められない(別途、著作隣接権者の許諾が必要)。

浜崎あゆみの楽曲(CDのサンプリング)をBGMにする、なんてことはまず許諾を願い出たとしてもあり得ない。個人に許諾したところでCDの売り上げには貢献しないからだ。著作隣接権を保持するレコード会社にとってはCD(最近は着うたも飯の種になりつつある)が売れるか否かが判断基準であり、海のものとも山のものとも分からぬ一般ピープルの動画投稿などに使われるのは、その後の類似投稿をさせないためにも決して許諾はしないだろう。
イーライセンスは1月まで遡って使用料を払うことで手を打ったようだが、少しはその対象を調べたのだろうか。サンプリングであれば検索も可能だろうけど、鼻歌も対象なので難しいだろうな。もっとも

ストリーミング配信サービスの包括利用許諾契約は通常、サイトの収入の一定割合を支払う形態だが、「YouTubeでは広告収入がさほど発生していないため、現状、収入ベースの利用料率策定は難しい」(イーライセンス)とし、暫定的な利用料を決めた。利用料は、今年1月分にさかのぼってGoogleが支払う。

なのでどんぶり勘定である。
確かJASRACは利用料は5000円か広告収入の1.*%の高いほうとかいうことだったと記憶しているが、イーライセンスは今年の分のみで過去は問わないということで交渉がまとめられたのであろう。YouTubeとしてはこのような少数の権利団体と契約締結し着々と外堀(とはいえ楽曲の99%はJASRACの管理なのだが、既成事実を積み重ねることは意味があろう)を埋めてJASRACとの交渉で態度を軟化させたい腹積もりだろうか。